藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

岩井城と鎌倉街道

一般的な地図にはない情報が載ったこのマップは非常に役立ちました。
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このマップのおかげで
「大房(だいぼう)」というダイダラボウ地名や、
「大田羅(だいだら)」の神が脱いだ笠の重みでできたという笠脱沼=笠貫沼、
そして「岩井城」を知ることができました。
もちろん、偶然の有り難い出会いがあったからですが、
そもそも「岩井城」跡を探しに行かなければ何も起こり得ません。
4/15にお目にかかったお一人が根本敏明様でした。
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帰り際に御同行の方が根本様が書かれた地図をメールで送って下さいました。
利根町の歴史民俗資料館では「せいぜい布川城の砦みたいなもの」と言われましたが、
岩井城が1500年以前、府川(布川)城が1572年の築城だとしたら、どうなのでしょう?
千葉孝胤(1459-1521)が絡んでいた岩井城が単なる砦とは思えないのですけれど、
いかなる根拠があって「城ではなく砦」と断言されたのでしょう?
現地を精査された根本様の地図をご覧になって反論できますか?
(もっとも城を名古屋城とか安土城みたいなものと定義されているなら話になりませんが)
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(この「利根町小字地図」と根本様の「想像俯瞰図」は天地が逆になっています)
 
4/15に岩井城跡で、隔週水曜日がボランティアの皆さんによる
「文間城(岩井城)整備日」なので神楽歌の演奏を是非にと仰って頂いたので
今日は午前中から出かけました。
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「奥山」から「大房」にかけての台地を、龍ヶ崎方面から撮りました。
中央の低めのこんもりは南端に2つの蛟蝄(こうもう)神社がある台地かと。
手前の台地、下総国鎌倉街道の終着点たる「押戸」の船着場からは
龍ヶ崎まで舟で渡ったそうです。
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台地の間の道に入り、文間保育園を目指してます。目的地は画像中央です。
民家の先を右折し、かつての海岸線沿いに走ります。
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あっ、ここが先日行った「御岳塚」の下ですね。
ソーラーパネルの会社に土地を売却したら道を造り始めたとのことでした。
この先に車が数台停まっていたので、岩井城への入り口だとわかりました。
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車が写らないよう上ばかり撮ってしまいました。
では、台地の上まで上がりましょう。
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前回、皆さんで道を造られたと伺っていたので
登り始めましたが、私の身幅には少々狭め!? でございました。
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おおお…、登り切ったところに見目麗しき巨木が!!
これが「文間城(岩井城)整備隊」の皆様のシンボルなんですね。
シンボルを見上げる位置には既にシートが敷かれていました。
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うわッ、すみません。これは癖ですね。
倭琴の弾き歌いをしていると髪の毛が顔にかかってくるため
つい首を振ってしまいます。これまでも何度か撮られてますよね…(反省)
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せっかく撮影して頂いたので、ちゃんとした1枚も追加しておきます。
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午前9時から作業されたあと、お弁当やお茶を召し上がり
談笑するために、テーブルとイスがセッティングされていました。
風がよく通る空間は、まるで別世界に居るようでした。
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寛いでいたら、「これを自分で掘ってみなさい」と呼ばれました。
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「え?! それは無理です」
「このスコップで周りの土を掘って」
と指導されましたが、地下茎が絡まっているのか歯が立ちません。
結局、その方に掘っていただきました。
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他の方も掘って下さって、最終的に7本のタケノコがキャノピーのBoxに。
演奏修行させていただいた上、貴重なやわらかタケノコを頂戴し
ほんとうに有難うございました!!
 急遽、
根本様に「かぶと塚」「よろい塚」「鎌倉街道」を御案内いただけることになり、
まだ皆様がお寛ぎの中、片付けもしないで失礼しました。
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岩井城から下りて農道にバイクを出すと、真北の台地が鎌倉街道の通る押戸で、
右端に根本寺、その北に押戸の船着場があると教えて下さいました。
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西を見ると、向こうに三つの塚が並んでいるように見えます。
真ん中付近に見える「かぶと塚」は頭部を埋めた塚、
胴体を埋めたのが「よろい塚」と言い伝えられているそうです。
それは…蜘蛛塚じゃありませんか!? ずいぶん具体的な伝承ですね…。
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かぶと塚」まで来ました。道を挟んだ向こうが「よろい塚」です。
「さぁ、上がりましょう」と仰って頂きましたが、駐車場が無く
違法駐車になっても困りますし、何より心の準備ができていないため
場所だけ覚えて、今日はパスさせていただきました。
バイクだけなら停められるかもしれないので、準備を整えて再訪します。
利根町は見どころが多いのですけれど、駐車スペースがない点が惜しいですね。
 
では、いよいよ「鎌倉街道」再訪です。
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根本様が描かれたこちらの地図も、大変わかりやすく美しい出来映えです。
この地図に感動する理由はもう一つあります。
実はかなり以前、押戸の集落を走っていて台地に迷い込んでしまい、
下り口が判らず、王子大明神の参道近くまで行ってやっと
台地の西の端を守る八幡宮に出られた経験があったんです。
もともと方向音痴の上、普通の地図には道がないため
いったいどうなっているのか想像もつかなかったのに
根本様がボランティア活動に参加されて整備した道やポイントが
書き込まれていてわかりやすく、理解の助けになりました。
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数年前に、八幡宮の入り口に掲げられたこの案内板を見た時には安堵しました。
その記憶から、再度、鎌倉街道を通りたく、4/13にここまで来てみたのでした。
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かわいい地図ですが、私はこの地図では"遭難"しかねません。
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数年前、この画像の右の道から生還できたので、
ここから鎌倉街道を辿れると確信していました。
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ところが!! 木の根っこが露出していて、タイヤが嵌ってしまいました!!
またしても重いバイクをバックさせる羽目に陥りました。
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少し歩いてみたら、たしかにこの道でした。
でも、今は、バイクで走っちゃいけないんだろうな…と感じました。
根本様に伺うと、ここまで整備するのに何年もかかったとのことでした。
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今日は根本様に先導して頂いてるので安心です。
八幡宮への御挨拶は4/13に済ませているので右の道を進みます。
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ホタルブクロに似ていますが、ナルコユリの一種でしょうか?
緑いっぱいの道を歩いてゆくと、王子大明神への参道がありました。
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4月とはいえ、今日は最高気温25℃。日差しも強い。
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なぜか赤く塗られた社殿。稲荷ですか?
祭神は北方の王子神社と同じくタケミナカタと聞いてましたが。
社伝に若一王子熊野大社の末祠とあるのに、現祭神は建御名方命(たけみなかたのみこと)
鵜草葺不合命(うがやふきあへずのみこと)&玉依毘売命(たまよりひめのみこと)の夫婦神でした。
ちょっと、ここでは演奏できないので奥へ行ってみます。
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近年、周辺の神社がどんどん境内社になっているそうです。
左端の山王山の後ろの木はなかなか立派なのですけれど…
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「このクギをご覧ください」
「エッ!? 丑の刻参りですか?」
「たぶん…」
錆びついてはいないので、近年打ち込まれたものと思われました。
くわばらくわばら…。
 
奥は古代の円形祭祀場でした。周囲は崖です。
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丑の刻参りのクギが打ち込まれた巨木をバックに
円形祭祀場の真ん中で演奏修行してみましたが、
丑の刻参りの女(?!)より私の方が怪しいようで…。
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社殿まで戻って鳥居を撮ってみました。
この左手に4/13に探した参道があります。
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これは…!? やっぱり断念してよかった。
下の参道入り口のお宅で「階段と言っても、途中はハシゴみたいだし、
高さがまちまちで危ないから、今はのぼる人はほとんど居ませんよ。
おやめなさい」と言われて、ホントによかったです。
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バイクを停める場所もなかったので、こちらのお宅に声をかけさせて頂きました。
結局、4/13は空振りでしたが、登り口は今でも3ヶ所ほどあるそうです。
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再び4/21の続き。古墳まで歩きました。
反対側からも撮ってみましたが、古墳というより蜘蛛塚かも…?
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おっと、この前(演奏直後)にヘビに遭遇していました。
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ピンぼけですみません。咄嗟に撮ったので。
たまたま「演奏修行していると、よくヘビが出るんです」と
話していたので、驚きました。危険な時期に入り、残念です。
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古墳の横にあった根本寺からの道です。この坂は、徒歩でも厳しいとか。
鎌倉街道ではないようですが、生活道としても滑り落ちてしまいそう…。
ここからが、ほんとうに大変でした。
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根本様の地図では右下の山桜がある一角から縄文の「押戸須賀遺跡」のある
「須賀(スカ)」の集落(画像左手)を見ました。
さらに、根本様が見つけた「岡雪庵」の石碑と、根本様が名づけた「哲学の道」。
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永禄3年(1560)に岡雪庵によって建てられた石碑とストーンサークル?!
碑文は漢詩の引用だそうです。
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石庭茶席と考えられているようですが、哲学的というか観念的というか…。
ここは頭上にも足元にも注意しながら進まないと転倒しかねません。
険しさの意味も込めて「哲学の道」と名づけられたかと唸らされます。
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木漏れ日も、いっそう強烈さを増していました。
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ようやく鎌倉街道に戻りました。
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「建物の見えているあたり、あの上がさっき居た岩井城ですよ」と
私より10歳近く上の根本様が息も切らさず教えて下さいました。
長年、社会的に重要な立場で活躍されていたからこその経験値と
ボランティア活動で鍛えられた心技体には感服の一語しかありません。
たくさんのことを教えていただき、まだまだ消化には至らないものの、
少しでも追いつけるよう一歩一歩進んでまいります。
しかしながら、ここから利根町奥山にある泉光寺の駐車場まで
戻るだけでも急勾配の坂で息苦しくなってしまった私!?
心許ない限りです。
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現在は無住の泉光寺ですが、この高台を中心に
周囲に古墳や遺跡が広がっているそうです。
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こんなに古い道標もありました。右側は「りゅうがさき」ですか?
左側は上が欠けているようですが、「かまくら道」 …?
根本様の地図によれば、この丘から下りて八幡宮を通るルートが
鎌倉街道となっていますね。
八幡宮のある場所を振り返ったら、古墳上にあるように見えました。
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道路より一段高い台地の上に築造された古墳に見えませんか?
 
さて、もう15時です。
お昼を食べずに頑張ったので、先日行った"mimi cafe"にお誘いしました。
4/15は、ここで休憩して地図を見て行ったら
岩井城の土塁を歩いておられた根本様にお目にかかれたのでした。
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珍しいバラで埋め尽くされた手造りのカフェですが、
今はまだ1種類しか咲いていないそうです。
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北相馬郡利根町横須賀にこんなに素敵なカフェがあるなんて!?
「横須賀」の信号からすぐですよ。4号線(どこの?)を通られる際は是非!