藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

冬至

毎年、冬至夏至が近づくと血が騒ぎ(!?)、どこかへ出かけたくなります。
昔から私は冬至を過ぎると"迎春"気分になるため、明日からが新年!?
ということで、下調べもせず、こだましか停まらない駅へ行くため
午前中からこだまに乗ってます。
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開店直後だったので数量限定のサーロイン弁当を買えました!
夕方近くに買った前回のお弁当との違いは歴然です。
カロリー高めながら、昨日血液検査の結果を聞きに行ったら、数値がいつもと同じで
全く異常なしだったので。毎日、三食のほか、大福3個+栗柿2個とか食べてるのに
中性脂肪とかコレステロール値とか正常なのが不思議なのですが…?
ともあれ今日はこのお弁当を食べて暗くなるまで頑張ります。
はたしてタクシーでどこまで行けることやら…。
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富士市在住の友人が車を出してくれて以来の富士南麓です。
その折、車では入れないと言われた神社が気になっていたので再訪しました。
今日は新富士駅からタクシーで駿河小山駅まで行くプランです。
突然思い立ち、2社だけ行って帰るのはもったいない気がして適当に4社を追加。
綿密に計画を立てても期待外れに終わることの方が多いので、かなり不安です。
 
一社目は間門(まかど)浅間神社
赤淵川に隣接しているとのことで小さな橋を渡りましたが、川には水がありません。
よほどの大雨が降らないと水が流れることはないそうです。
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川を渡るとすぐ左手に鳥居がありました。
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画像右端の道は上り坂で段丘のような地形になっており、小田原北条氏が天文年間の
今川氏との抗争の際に"河東十二塁"の一つとして間門城を築いたとの説もあります。
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こんな石碑までありましたが、これはのちの作り話でしょう。
ヤマトタケルが実在したなんて誰も信じていないでしょうけれど、
近くに4世紀中頃に築かれた全長90mを超える巨大な前墳があることから
当地が先住民の一大拠点であったことは疑いようもなく、ヤマト王権
その首長を攻め滅ぼしに来たこともまた間違いないのでは?
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正面は鳥居の扁額通り浅間神社で、一段上に小さな境内社が3つありました。
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地図には五社神社山ノ神神社などと記載されています。
左端が御神木のようですね。
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さきほどの細い上り坂を赤淵川に沿って北上してゆくと
「猿棚滝」へ下る道と、巌谷小波の句碑がありました。
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小学唱歌《ふじの山》で知られる巌谷小波ですが、残念ながら
ここから富士山は見えませんでした。
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ほどなく鵜無ケ淵(うないがふち)神明宮の鳥居が見えましたが、道が狭く駐車できません。
この手前の参道入口石段左に当社の案内板がありました。
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くまなく周辺を走った結果、鵜無ケ渕(ママ)公園の駐車場で待機してもらうことに。
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とりあえず、右端の階段から突破を試みます。
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道なき道を神明宮の方角へ歩いて行ったら塚(蜘蛛窟?)らしきものが見えました。
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あ、さっき見た鳥居です!! 運良く参道へ出られました。
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振り向くと社殿へ続く石段があったのです。
こわくないわけではないけれど、よく晴れていたので最奥まで行けました。
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間門浅間神社の「シイ」と、ここの「クス」を見に来たようなものです。
由緒不明の神社でも、御神木で土地の歴史がわかるので。
一応の目的を果たし、手前の拝殿で演奏修行させていただきました。
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座った位置から真っ青な空を仰ぎ見ると御神木の樹勢がわかりましたが、
カメラを自動でしか使っておらず、色がとんでしまっていました。
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ここから更に北上して富士サファリパークを通り、約40分かけて印野へ移動します。
楽しみにしていた富士山ですが、白いヴェールに覆われて全く見えません。
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ただ愛鷹山(たぶん…)は肉眼ではハッキリ見えました。走りながらの画像ですみません。
富士市から御殿場市へ移動しました。
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富士山周辺はほんとうに浅間神社が多いですね…。
ウシコンバの水源地」とあるのは、アイヌ語地名を思わせますが?
「印野の二本杉」と呼ばれた「樅(もみ)の木」というのも…?
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帝国陸軍が演習の目印とした」とある当社の二本杉(に誤認?)跡は
現在の「陸上自衛隊 東富士演習場」に隣接しています。
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印野の浅間神社は平坦地で、タクシーを停められたため、
親切な女性運転手さんが撮影して下さいました。
 
ここからは246号線で北上するのみですが、ちょこちょこ寄り道しました。
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印野浅間神社から1-2分でしたが、入ると時間がかかりそうだったのでパス。
次は後鬼前鬼神社の名前に惹かれて行った川島田の浅間神社
左が浅間神社、右が後鬼前鬼神社でした。
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後鬼前鬼とくれば役行者。右の社殿の中には↓このようなオブジェが!?
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考えてみれば、小山須走は後鬼前鬼の本拠地の一つ?! 真ん中が役行者なのでしょう。
静岡県駿東郡小山町須走には、日本独自の修験道の開祖とされる役小角
後鬼前鬼を調伏し、従えたとの伝説がありました。
役小角は調伏した男女の鬼を征伐せず、自らの弟子とし、
前方を歩く夫を前鬼しんがりを担う妻を後鬼と呼んだとも言われます。
 
とは『日本書紀』にある「暴神(あらぶるかみ)」「姦鬼(かだましきもの)」、
朝廷にまつろわぬ先住の「神(かみ)」や「鬼(もの)」を指していると考えられます。
 
桓武天皇延暦21年(802)に富士山東脚が噴火。
当時の国司・郡司は鎮火祈願のため須走の地に斎場を設け、ゾロアスター教を思わせる
鎮火祭を行なったそうです。その跡地に今も鎮座するのが東口本宮 冨士浅間神社で、
創建後まもない時期に弘法大師空海が修行および富士登山をしたとの
伝承があったため、近世まで「弘法寺浅間宮」と称していたとのことです。
 
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他の富士山登山口に遅れて完成した御殿場初の「富士山東表口」があると知り
西田中の八幡宮に立ち寄ったら「明治16年」とかなり新しくてガッカリ…。
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八幡宮とあるだけで由緒等まったくわからず…。
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現在は住宅密集地にあるからか、さほど古い神社とは思えませんでした。
 
最後に、古代祭祀の場をもとめて「藤曲」へ向かいます。
その地名から、きっと山道をくねくねと登ってゆくに違いないと踏んでいます。
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何ですか、この立地は!? たしかにくねくねと登ってきましたが?
ここに駐車できそうなので、先に進みます。
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いま登って来た道が下に見えます。
この道路ができる前は、下の集落から山道を登ってきたのか、
この奥の道から真っ直ぐ進んできたのか、ちょっと想像がつきません。
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鳥居前に道がないというのは異様ですよね? あ、奥にも鳥居が見えます。
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やはり、こちらの鳥居は右手下からの参道がありそうですね。
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同じく目の前が道路で、直進して鳥居をくぐれる参道はありません。
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振り返ると恐ろしげな色の社殿!? 穂見神社とあります。
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鳥居は別でしたが、社地はつながっていました。
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そして、もう一社は神明宮
いずれにしても古代祭祀には程遠い…と思ったら、円形祭祀場がありました。
ところが、興奮しすぎて地形を撮っていませんでした。
カメラにあったのは様子を見に来た運転手さんが撮って下さったこの画像のみ!?
普段着ゆえ演奏画像を載せたくなかったのですけれど、お目汚しお許しください。
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古代人が集落の上の断崖を利用してつくったであろう円形祭祀場。
最後の最後に、古代歌謡にふさわしい場で演奏修行できました。
来年もまた元気に演奏修行できますように…。