藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

全国梅干コンクール

11:00、東京駅からのぞみに乗車。iPadを開けたらまさに今日の午前中に行なわれた
全国梅干コンクール授賞式のNewsがトップに上がっていました!
僭越ながら審査員の一人として当日の感想を書かねばならず、
今日の移動時に書くつもりで、iPadを開いたのでした。
すると、早速あの感動の一日が思い出されて、サクサク書けそうな気が…!?
全国47都道府県から寄せられた1,618点もの梅干を、審査項目に沿って
一つ一つ丹念に見てゆくのは根気の要る作業でした。
出品された梅干を出来るだけ近くで見ようと腰をかがめるので
1時間も経つと腰が痛くなってきました。
「何列進んだかしら?」と確認しつつ歩き、
「第一次審査は一人が10点を選ぶのに、もう20点を超えてしまったので、
最初に戻って再度絞り込まなくては」と行きつ戻りつしながら決めました。
なにしろ初めてのことなので慎重に慎重を期さないと!
第一次審査の結果、64点が選ばれました。一人10点選ぶと、最大が100点。
重複して選ばれた梅干が多かったということで、小泉武夫博士(東京農大名誉教授)から
「今年の審査員はレベルが高い」とお褒め頂いて、第二次審査に入りました。
「かおり」が加味される第二次審査では色・形の整った64点から20点が選ばれ、
さらに第三次審査で10点に絞られて、いよいよご飯にのせて試食する最終審査です。
けれど、本当に甲乙つけ難く、上位2点が同点という結果に!
再びご飯が用意されて、決選投票の末、五藤アンジェリンさんの梅干が選ばれました。
「五藤アンジェリンさんて、前回は優秀賞を獲得されてましたよね?」
一応、過去のデータに目を通して臨んだので、本当に驚きました!
1,618点もの梅干の中から、目の前の番号しか知らされない審査員が選んで
4年前の優秀賞受賞者が最終的にトップに立たれたのですから。
しかも審査員の約半数は今回が初めての審査でした。
私個人としては、どうやら突拍子もない選択をせずに済んだらしい…
と胸を撫で下ろした次第です。
 
最終審査に残った王道をゆく梅干に対し、出品された梅干の中には
「毎日揺らして作りました」とコメントされた見たこともない形状のものや
大きなスモモを漬けたものなどがあって、視野が広がりました。
極めてシンプルな「梅+自然塩」という材料だけで日本の食文化を担ってきた梅干
個人の味覚と感性によってヴァラエティ豊かな嗜好品として選択肢を増やしていたのです。
 
毎日食卓に上る梅干は、食べて美味しいものでなくてはなりません。
それを更に、見せる(魅せる)梅干へとブラッシュアップさせたのが、大山町農協主催の
「全国梅干コンクール」だったのではないでしょうか。
その功績は決して小さくないと思います。
 
日田市大山町で、世界から注目されるユネスコ無形文化遺産「和食」に欠かせない
梅干に刮目しました。
海外でも広く梅干の効能が認められて、世界中の食卓に並ぶ日が待たれますね!