藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

日記

ハープで弾く伊福部作品

1935年、札幌。 それまでハープに直接触れた経験すらなかった21歳の青年が オーケストラにハープ2台を加えて『日本狂詩曲』を完成させました。 この作品は同年パリで審査された「チェレプニン賞」の 第一席に選ばれ、伊福部昭の出世作となりました。 伊福部青…

シントコでの収録

明日(11/7)、ハープと『ギリヤーク族の古き吟誦歌』&『サハリン島先住民の三つの揺籃歌』、 自分でシントコを叩きながら歌う『アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌』を収録します。 そのためシントコを梱包し、左右の手に一つずつ持って自分で運ぶつもりでした…

霞ヶ浦南岸・美浦村

10/11に続き、10/13に阿見町・美浦村方面へ。 前回、近くまで行ったので足を延ばしたいと思いましたが、 家人が夕方出かける予定だったので、家から遠ざかるのを避けて 慌てて帰宅したら、ちょうど外出するところでした。 距離的にあと一歩だったのに…と、心…

宇志久=牛久

起床後、突然思い立って牛久市岡見へ行くことにしました。 「おかみ」という地名が「たかおかみ」「くらおかみ」などの 神というか神社名を連想させたからです。 「牛久」という地名は、 和銅6年(713)に『郡・郷の名は好字をつけよ』との詔(みことのり)が出…

DVD『伊福部昭ラストインタヴュー』評

これまでも書いてきたように私は音楽雑誌を読みません。 それゆえ知らないまま通り過ぎることが多くあります。 新聞の取材を受けても掲載紙が送られて来ないと きれいサッパリ忘れてしまいます。 そんな性格を知っている方々が記事を送って下さるのです。 つ…

動かない時計

皆様から御心配をいただいています。 せっかくYouTube channel「伊福部昭の音楽」を開設したんだから 少しは宣伝をすれば? とのことですが、その必要を感じません。 yumiaikawa.hateblo.jp このブログにしても「タグをつけなさい」とのコメントが自動的に …

YouTube チャンネル『伊福部昭の音楽』開設

「藝大へなんか行ってどうする。」 そもそも音楽をやることに猛反対で、音大進学なんかとんでもないと 反対し続けた父が、母の説得で「藝大なら一回だけ受験させてやる」 (どうせ現役合格するはずがない)と許してくれた受験に合格した時のこと。 合格しても…

お墓参り

コンサート終了直後に札幌へ来たのは、助けて頂いた御礼とご報告のためでした。 申し訳ないことに、私共のミスで、5/13にカメラータへ問い合わせがありました。 眞柳潔氏のお名前が Sankei News に出ていたことに御遺族が驚かれたのです。 それを知って私も…

「伊福部昭の音楽」の展開

2023年3/31に、6/28のルーテル市ヶ谷ホールを何かに使わなくてはならなくなり、皆で 企画を考えた際、誰一人として、このDVDが世に出るとは想像していませんでした。 2023年5/31に『古代からの声~伊福部昭の歌曲作品』が発売予定だったことから、 レクチャ…

秘密基地のタケノコ

天気予報が外れ、晴れの中をバイクで出かけました。 とはいえ、今日はうちのCDを食べる怪獣のトリミング(10:30~12:30)中、 移動時間以外の1時間しか岩井城址に滞在できません。 この画像自体、傾いていると思いますが、地面がうねってませんか? カメラもiP…

「伊福部昭の音楽」シリーズ無料開催のお知らせ

いよいよ本シリーズも最終回となります。 今回取り上げます《二つの性格舞曲》は、コンサートでは演奏されていないかも? それを《ヴァイオリンソナタ》の前に演奏することに意味があると考えています。 《二つの性格舞曲》はアムステルダム・デュオの委嘱で…

全国梅干コンクール

11:00、東京駅からのぞみに乗車。iPadを開けたらまさに今日の午前中に行なわれた 全国梅干コンクール授賞式のNewsがトップに上がっていました! www.yomiuri.co.jp 僭越ながら審査員の一人として当日の感想を書かねばならず、 今日の移動時に書くつもりで、i…

冬至に「丹」へ

今日12月22日は冬至。一年で最も昼が短く、夜が長い日。 冬至の日はなぜかわくわくするので昔から大好きでした。 ここから夏至までどんどん日が長くなってゆく芽生えの日。 大人になってから、この日は私だけがわくわくするのではなく、 太古から万物にとっ…

高台寺和久傳

今年の 7月下旬、高台寺和久傳で夜のコースを予約。 ある方が私を励まして下さるということで、楽しみにしていたのに 新型コロナ感染拡大により延期せざるを得なくなりました。 その時点では、例年通り11月7日から間人(たいざ)蟹のコースが 提供できるかどう…

草津温泉

いったいいつ以来の草津温泉でしょう? つい先日、マエストロから 「いま日本に居るからコーヒーでも飲みに行かない?」 とのメールを頂きまして、もちろん行きますと返信しました。 その時は隠していたのですけれど、実は先月、家人から 「今年は草津音楽祭…

伊福部昭と《平安朝の秋に寄する三つの詩》

物事には順を追って説明しないとわからないことがあるため、 すでに五線譜の歌から身を退いた私が、なぜ今月中に伊福部作品を レコーディングしようとしているのか、その経緯を書いておこうと思います。 伊福部昭先生と私のあいだには、伊福部歌曲を1オクターヴ…

ドイツ人お雇い教師が編曲した日本の国歌《君が代》

2021年は日独の外交関係が結ばれて160周年という節目にあたります。 ドイツ連邦共和国大使館では「日独交流160年展」を7月26日から開催。 8月11日以降、コロナの状況に応じて、各都道府県で巡回展示を開始されるそうです。 日独の多面的な歴史の個々の側面に…

頭が"印旛浦"、尾が"椿海"に墜ちた龍

身を三つに引き裂かれ、頭が"印旛浦"、尾が"椿(の)海"に墜ちた龍なんて いかに妄想好きの私でも、容易にイメージできません。 せいぜい、ヤマト王権が征夷大将軍に東国を平らげさせる前からあった古墳の主の 末裔や彼らが治めたクニを討ち滅ぼしたことの比喩…

日本最古の系図をもつ伊福部氏

日本最古の系図は国宝に指定された『海部(あまべ)氏系図』とされ、 丹後一宮 元伊勢 籠(この)神社HPにこう書かれています。 昭和51年(1976) 6月に現存する日本最古の系図として国宝に指定された。 この系図は、平安時代初期の貞観年中に書写されたいわゆる祝…

祖母山と古祖母山

大分県と宮崎県にまたがる傾山(かたむきやま)や大崩山(おおくえやま)など 祖母山(そぼさん)を中心とする山および河川一帯は 1965年に「祖母傾国定公園」に指定されています。 祖母山周辺は銅、錫、鉛、マンガン、水晶などの鉱物資源が豊富で、 祖母山山頂の…

景行紀の「ヤメ」「ヤベ」

7/24のブログで、神武紀における女首長の誅殺を取り上げました。 yumiaikawa.hateblo.jp しかし、"天皇にまつろわぬ民"の征討はまだ続きます。 本項では『日本書紀』巻第七の景行紀を取り上げたいと思いますが、 第12代景行天皇の時代には「…ヒメ」と名乗る…

古関裕而と伊福部昭 (モスラ vs ゴジラ?)

何十年か前、某放送局が、1930年初頭に新聞紙上を賑わせた 古関裕而(1909-1989)「チェスター社主催作品公募入選二等」という 記事をもとに番組を作ろうと企画したそうです。 ところが、イギリスへ取材に行くと、チェスター社はすでに無く、 図書館にもヒントになり…

朝ドラ『エール』のモデル古関と山田

朝ドラ『エール』の放送内容に関連して、 「ドイツに留学し、日本人ではじめて交響曲を書き、ニューヨークの カーネギーホールで演奏会も成功させた山田が、いかに優秀とはいえ、 親子ほど年齢が離れた、田舎の一青年を恐れていたとはやはり断定し にくいで…

女首長…トベ

神武の東征以前、日本列島に居た先住民らは ヤマト王権がつくった建国神話や『日本書記』などの歴史書で 鬼、土蜘蛛、国栖(くず)、佐伯(さへき)などの蔑称を与えられました。 いわゆる“天皇にまつろわぬ民”ですが、その中でも 私が興味をひかれたのが「…トベ…

アヅミノイソラ

先月、初めて女木島・男木島行きのめおんフェリーに乗りました。 大槌島・小槌島の間の「槌ノ戸瀬戸」を見るためです。 当然ながら新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、 高齢者の多い島への上陸は自粛。 デッキを埋め尽くしていた外国人の団体さんがご…

身に余るお言葉、有難うございます!

友人から『レコード芸術』(音楽之友社/2020.6.19)の一頁を添付したメールが届きました。 拡大してもハッキリとは読めないのですけれど、私のように音楽雑誌を読む 習慣のない人間は、読者投書欄までチェックされることに驚くばかりです。引退して4年になる私…

竺紫の日向の橘の小門の阿波岐原

2016年2月10日、奈良文化財研究所が 鳥取博物館所蔵の弥生時代の銅剣に線刻画があったと発表。 鋳造後の青銅器から線刻画が見つかったのは初めてで、 図柄はこれまで鳥取県を中心に木製品などから見つかったサメでした。 銅剣は儀式用と考えられていることか…

渡り来しもの

古来、宮中の神殿に祀られている韓神(からかみ)と園神(そのかみ)。 北が百済神たる韓神、南が新羅神たる園神だそうです。 yumiaikawa.hateblo.jp 韓神は百済神=三島神=大山積神、園神は新羅神=八幡神とされ、 宮中に祀られている以上、全国各地に鎮座する…

大滝鍾乳洞・縄文鍾乳洞

2013年10月、2億年前は海底だったという安久田の里を訪れました。 http://www.jade.dti.ne.jp/onodera/amagatari5.html#hak 「あく」と聞けば 『外宮摂末社神楽歌』に歌われる「志摩国知久利ケ浦におはします 悪志赤崎(あくしあかさき)~」や、「しほやく→し…

しらき神

万葉集で「新羅奇」、出雲風土記で「 志羅紀」などと表記された 「しらき」は、元来「 新羅城」の意との説があります。 古代の朝鮮半島南東部にあった新羅(前57年〜935年)は、 半島北部の高句麗、半島南西部の百済との並立時代を経て 7世紀中頃までに朝鮮半…