藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

日記

崇德上皇さま

日本の天皇陵のほとんどが奈良県や大阪府、京都府に比定される中、 兵庫県南あわじ市賀集の第47代 淳仁天皇の淡路陵(あはぢのみささぎ)、 香川県坂出市青海町の第75代 崇德天皇の白峯陵(しらみねのみささぎ)、 山口県下関市阿弥陀寺町の第81代 安德天皇の阿…

移動中

こんにちはのぞみに乗ってます! ここまでが暑すぎて、顔の毛がグシャグシャになってますが…。 キャリーケースの中に、家で凍らせたペットボトル3本を入れ、 東京駅のホームで買ったロックアイスを2個追加しました。 昨日は急な発熱でどうなることやら…と思…

安曇磯良 (アヅミノイソラ)

2020年7月3日にブログ「アヅミノイソラ」を書きました。 その内容があまりにも薄かったので加筆を試みます。 私は倭琴の旅を始めた当初、集中的に対馬へ通いました。 宮廷に入って、平安時代に神楽歌と呼ばれるようになった歌が 「志賀の海人」すなわち安曇…

タケノコと雷神

年一回のタケノコ掘りの日です。 岩井城址へ向かっています。 ここは「北相馬郡利根町押戸」の船着場跡。かつてはここでいったん地面を 歩く鎌倉街道が終わり、現 龍ヶ崎市側へ船で渡っていたそうです。 この絵を書かれた根本様は鎌倉街道や古代東海道のエキ…

瀬戸内海とオルガン(木下忠司作品)

日本人に最も親しまれたテレビドラマの一つに『水戸黄門』があります。 1969~2011年の42年間に1,227回も放送された長寿番組(平均視聴率22.2%)で、 主題歌《ああ人生に涙あり》を作曲した木下忠司(ちゅうじ/1916-2018)氏は 日本映画界の巨匠 木下惠介(1912−…

「伊福部昭の世界」(室内楽編)

2025年2月1日&2日に伊福部作品を収録しました。 前回(2024年11月7日)はハープの木村茉莉さんと私だけだったので のんびりとした雰囲気で録ったのですけれど、2/1は大所帯でした。 yumiaikawa.hateblo.jp 短い1曲を録るために遠方からお運び頂き、心底恐縮し…

伊福部昭の日本(平安朝と道東)の歌

伊福部昭先生が日本語の歌において最もこだわっておられたのは 「産字・生字(うみじ)」でした。 最初に御指導いただいた日に 「日本語の歌は、どこで息を継いでも構わないんです」 と言われ、非常に驚きました。 明治以降、五線譜を導入して音楽教育を始めた…

悪魔祓いの『ピアノ組曲』

「北海道での子供時代、よく耳にした音楽に、青森から流れて来た芸人が 津軽三味線を弾きながら歌う民謡やいわゆる新内流しがありました。 それと、音更のアイヌコタンで見聞きしたアイヌ民族の儀式における 歌や踊りが私の音楽的原点と言えるかもしれません…

冬至のユズ

冬至の今日は、古い太陽にサヨナラして 明日から始まる1年を照らす新しい太陽に挨拶したい。 かといって本格的な演奏修行は出来ません、やっと 4曲の伊福部歌曲それぞれの発声が軌道に乗りつつあるので。 私が行きたい場所は常に縄文台地。 これは龍の丘? …

ハープで弾く伊福部作品

1935年、札幌。 それまでハープに直接触れた経験すらなかった21歳の青年が オーケストラにハープ2台を加えて『日本狂詩曲』を完成させました。 この作品は同年パリで審査された「チェレプニン賞」の 第一席に選ばれ、伊福部昭の出世作となりました。 伊福部青…

シントコでの収録

明日(11/7)、ハープと『ギリヤーク族の古き吟誦歌』&『サハリン島先住民の三つの揺籃歌』、 自分でシントコを叩きながら歌う『アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌』を収録します。 そのためシントコを梱包し、左右の手に一つずつ持って自分で運ぶつもりでした…

霞ヶ浦南岸・美浦村

10/11に続き、10/13に阿見町・美浦村方面へ。 前回、近くまで行ったので足を延ばしたいと思いましたが、 家人が夕方出かける予定だったので、家から遠ざかるのを避けて 慌てて帰宅したら、ちょうど外出するところでした。 距離的にあと一歩だったのに…と、心…

宇志久=牛久

起床後、突然思い立って牛久市岡見へ行くことにしました。 「おかみ」という地名が「たかおかみ」「くらおかみ」などの 神というか神社名を連想させたからです。 「牛久」という地名は、 和銅6年(713)に『郡・郷の名は好字をつけよ』との詔(みことのり)が出…

お墓参り

コンサート終了直後に札幌へ来たのは、助けて頂いた御礼とご報告のためでした。 申し訳ないことに、私共のミスで、5/13にカメラータへ問い合わせがありました。 眞柳潔氏のお名前が Sankei News に出ていたことに御遺族が驚かれたのです。 それを知って私も…

秘密基地のタケノコ

天気予報が外れ、晴れの中をバイクで出かけました。 とはいえ、今日はうちのCDを食べる怪獣のトリミング(10:30~12:30)中、 移動時間以外の1時間しか岩井城址に滞在できません。 この画像自体、傾いていると思いますが、地面がうねってませんか? カメラもiP…

全国梅干コンクール

11:00、東京駅からのぞみに乗車。iPadを開けたらまさに今日の午前中に行なわれた 全国梅干コンクール授賞式のNewsがトップに上がっていました! www.yomiuri.co.jp 僭越ながら審査員の一人として当日の感想を書かねばならず、 今日の移動時に書くつもりで、i…

冬至に「丹」へ

今日12月22日は冬至。一年で最も昼が短く、夜が長い日。 冬至の日はなぜかわくわくするので昔から大好きでした。 ここから夏至までどんどん日が長くなってゆく芽生えの日。 大人になってから、この日は私だけがわくわくするのではなく、 太古から万物にとっ…

高台寺和久傳

今年の 7月下旬、高台寺和久傳で夜のコースを予約。 ある方が私を励まして下さるということで、楽しみにしていたのに 新型コロナ感染拡大により延期せざるを得なくなりました。 その時点では、例年通り11月7日から間人(たいざ)蟹のコースが 提供できるかどう…

草津温泉

いったいいつ以来の草津温泉でしょう? つい先日、マエストロから 「いま日本に居るからコーヒーでも飲みに行かない?」 とのメールを頂きまして、もちろん行きますと返信しました。 その時は隠していたのですけれど、実は先月、家人から 「今年は草津音楽祭…

伊福部昭と《平安朝の秋に寄する三つの詩》

物事には順を追って説明しないとわからないことがあるため、 すでに五線譜の歌から身を退いた私が、なぜ今月中に伊福部作品を レコーディングしようとしているのか、その経緯を書いておこうと思います。 伊福部昭先生と私のあいだには、伊福部歌曲を1オクターヴ…

ドイツ人お雇い教師が編曲した日本の国歌《君が代》

2021年は日独の外交関係が結ばれて160周年という節目にあたります。 ドイツ連邦共和国大使館では「日独交流160年展」を7月26日から開催。 8月11日以降、コロナの状況に応じて、各都道府県で巡回展示を開始されるそうです。 日独の多面的な歴史の個々の側面に…

頭が"印旛浦"、尾が"椿海"に墜ちた龍

身を三つに引き裂かれ、頭が"印旛浦"、尾が"椿(の)海"に墜ちた龍なんて いかに妄想好きの私でも、容易にイメージできません。 せいぜい、ヤマト王権が征夷大将軍に東国を平らげさせる前からあった古墳の主の 末裔や彼らが治めたクニを討ち滅ぼしたことの比喩…

日本最古の系図をもつ伊福部氏

現存する日本最古の系図は国宝に指定された『海部(あまべ)氏系図』とされ、 丹後一宮 元伊勢 籠(この)神社HPにこう書かれています。 昭和51年(1976) 6月に現存する日本最古の系図として国宝に指定された。 この系図は、平安時代初期の貞観年中に書写されたい…

祖母山と古祖母山

大分県と宮崎県にまたがる傾山(かたむきやま)や大崩山(おおくえやま)など 祖母山(そぼさん)を中心とする山および河川一帯は 1965年に「祖母傾国定公園」に指定されています。 祖母山周辺は銅、錫、鉛、マンガン、水晶などの鉱物資源が豊富で、 祖母山山頂の…

景行紀の「ヤメ」「ヤベ」

7/24のブログで、神武紀における女首長の誅殺を取り上げました。 yumiaikawa.hateblo.jp しかし、"天皇にまつろわぬ民"の征討はまだ続きます。 本項では『日本書紀』巻第七の景行紀を取り上げたいと思いますが、 第12代景行天皇の時代には「…ヒメ」と名乗る…

古関裕而と伊福部昭 (モスラ vs ゴジラ?)

何十年か前、某放送局が、1930年初頭に新聞紙上を賑わせた 古関裕而(1909-1989)「チェスター社主催作品公募入選二等」という 記事をもとに番組を作ろうと企画したそうです。 ところが、イギリスへ取材に行くと、チェスター社はすでに無く、 図書館にもヒントになり…

朝ドラ『エール』のモデル古関と山田

朝ドラ『エール』の放送内容に関連して、 「ドイツに留学し、日本人ではじめて交響曲を書き、ニューヨークの カーネギーホールで演奏会も成功させた山田が、いかに優秀とはいえ、 親子ほど年齢が離れた、田舎の一青年を恐れていたとはやはり断定し にくいで…

女首長…トベ

神武の東征以前、日本列島に居た先住民らは ヤマト王権がつくった建国神話や『日本書記』などの歴史書で 鬼、土蜘蛛、国栖(くず)、佐伯(さへき)などの蔑称を与えられました。 いわゆる“天皇にまつろわぬ民”ですが、その中でも 私が興味をひかれたのが「…トベ…

身に余るお言葉、有難うございます!

友人から『レコード芸術』(音楽之友社/2020.6.19)の一頁を添付したメールが届きました。 拡大してもハッキリとは読めないのですけれど、私のように音楽雑誌を読む 習慣のない人間は、読者投書欄までチェックされることに驚くばかりです。引退して4年になる私…

竺紫の日向の橘の小門の阿波岐原

2016年2月10日、奈良文化財研究所が 鳥取博物館所蔵の弥生時代の銅剣に線刻画があったと発表。 鋳造後の青銅器から線刻画が見つかったのは初めてで、 図柄はこれまで鳥取県を中心に木製品などから見つかったサメでした。 銅剣は儀式用と考えられていることか…