徳島県が長氏の長ノ国・同族の粟ノ国だったことがわかり、長族を追ってみることに。
は? 言葉もありません。中古、高根明神と称して伊那上神社に合祀された後、
現在地に遷座し、旧称 仲神社に戻したとのことですが、
合祀や遷座で重要な土地のエネルギーを失ってしまったのでしょうか?
それとも那賀郡における長氏の存在感が薄れてしまったということでしょうか?
立派な拝殿(神楽殿?)があると思ったら、11月2,3日の秋例祭にて
三番叟などの奉納が行なわれているそうです。
伊那上神社・伊那下神社にも遷座記録があったので今回はパス。
左から二つ目のおむすびのような島です。
古くは巨鯛(こだい)島、それが古代島→弁天島と変化したそうです。
次の佐波神社は海辺から遷座しています。
式内社としての祭神は「志での明神」「にいの明神」とあります。
「志で」は「幣」、「にい」は「丹生」でしょうか?
よくわかりませんが、この二座は明らかに現祭神と違いますよね?
現在は、左が「八幡宮」、右が「三島宮」です。
私など、祭神が異なれば別の神社になってしまったんだとしか思えないのですが、
いわゆる「宗旨替え」ではないのでしょうか?
流されてしまい、東へ約350mほど入った現在地に遷座したそうです。
旧社地周辺は、昭和8年に古代の造船所と伝わる湿地帯(鴨ヶ池)を仁科港の船溜まり
にするための造成工事により、弥生時代の「鴨ヶ池遺跡」が発見されました。
その佐波神社旧社地へ行くことを(時間がおしていたため)諦めて向かったのは、
第15突撃隊基地の洞窟格納庫が36本も掘られた西伊豆町の田子です。
さて、次は地図にない(載っている地図が少ない)「神洞滝」と「山神社」です。
タクシーでは行って貰えない場所なので、友人の厚意に甘えて行くことに。
式内社「伊豆國那賀郡 多尓夜神社」に比定されており、
『伊豆國神階帳』には「従四位上 たにやの明神」とあります。
「たにや」なら谷にあるのでは?
元は、当地から東へ800mほどの山中にあって今は山神社が祀られている、
文禄3年(1594)の再建記録アリ、との情報を得ました。
ガードレールも無い狭い道を(引き返すこともできないので)どんどん登って行くと
「神洞滝」の看板がありました!
看板のすぐ左に吊り橋が架かっています。
「こんな恐ろしげな橋は渡れないよ…」と言ってじっと見ると
私の苦手な偶像崇拝でした。
もとより社殿にもオブジェにも興味はないので、滝にて演奏修行。
残念ながら、滝壺まで下りてゆく道はありませんでした。
坂なので道路が斜めになっていますが、どんな角度でも中心をとって弾く練習です。
いったい誰方が、何のために、このような辺境の行き止まりに
吊り橋やら石像やらを設置されたのでしょう?
と、新たな疑問が生じたものの、ともかく「たにやの明神」であったことを確認!
ここから約1時間の山越えです。
遠くて嫌になるかと思いきや、高峰に見えていた鉄橋を次々に渡ってゆく快感!
「夏休みって感じ!!」とキャーキャー言いつつ幾つもの山を越えました。
そうして今度は狩野(かの)川を修善寺方面に下ります。
それは、伊豆半島がフィリピン海プレートの移動によって本州に衝突して
隆起したためで、まさに伊豆半島ならではの北流といえます。
静岡県の面積(7,777㎢)の11%にもあたります。
『日本書紀』の応神紀五年(274)十月条に
「伊豆國に科(ふれおほ)せて船を造らしむ」があり、
その候補地の一つ輕野(かるの)神社へ2014年4月8日に行きました。
今回はその対岸の佐野神社へ立ち寄ることに。
江戸時代には「鮫大明神」とも「鰒明神」とも称ばれ、
8/5に同じく論社の沼津市西浦木負の鮑玉白珠比咩命神社へ行ったので。
佐野神社の境内は狩野川で釣りをする人たちの無料駐車場になっていました!?
ここでもやはり社殿に背を向け、川に向かって『枯野』を演奏する私。
人様から見れば、地べたに座って乞食のような真似をしている変人でしかない
わけですが、まさに乗りかかった船?!
古代、歌が「天」と「地」をつなぐものと考えられていた…
との実感と裏づけを得られるまで頑張ります。
さて、修善寺駅が近づいてきました。最後に駅から数分の加殿に立ち寄ります。
『伊豆國式社考』に、輕野神社は「加殿ノ神社なるべし」との記載があり、
加殿の子(ねの)神社が輕野神社だった可能性があるためです。
境内からは4世紀頃の神獣鏡が出土しています。
山裾にあり、かなり社地が広いようです。船を作るために必要な樹木があります。
由緒書に「慶長15年(1610) 所地神修理をするとあり、以後子神社となっている」
とあり、「かどの」→「かろの」→「かるの」の音韻変化からも、
『延喜式神名帳』(927)以前に輕野神社だった可能性はありそうですが?
今回で伊豆半島の旅は終わりにしようと思っていますが、どうなりますやら…。