藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

甲斐国一宮・二宮・三宮

今月三度目の甲州です。
私にとって早過ぎず遅過ぎずの特急は一本しかないため
毎回同じ「あずさ」に乗ってます。が、今日はピンチでした!?
新宿へ向かう電車が“緊急停止信号”で停まってしまったのです。
こうなると、出来ることをしておかねばなりません。
いつまでも工事中で混雑が続く新宿駅でスムーズに乗り換えるには
南口の通路を使うのが一番!
大きな荷物を抱えて電車の中を移動しました。
おかげで山手線から中央線特急に1分ほどで乗り換えられました。
 
今日のテーマは甲斐国の一宮・二宮・三宮です。
まだ行ってなかったのか?! という感じですが、
日本全国にある一宮論争どころか、二宮が式内社じゃないとか、
一宮・二宮・三宮とも遷座しているとか、
調べなくてはならないことが多すぎて食傷気味でした。
 
しかし、今回で甲斐国を終わりにするには
嫌でも行っておかねばならないでしょう。
幸い、雨の予報が曇りに変わりつつあるようです。
 
大月から鈍行に乗り換えました。
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えええ~?! これ、雲が動いて晴れてきてるでしょ!?(↑車窓より)
またしても裏切られました。日焼け止めを塗らねばなりません。
今日の山梨県は最高気温32℃の予報で、既に30℃を超えてます。
 
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なぜホームに石灯籠が? ちゃんと時刻表を調べてなかったバカな私。
ここ「甲斐大和」駅で特急の待ち合わせ中(何と15分⁉)
眺望もなく、何の楽しみもありません。
最初、この駅からタクシーに乗るつもりでしたが、以前
何度かお世話になった甲州タクシーさんに乗りたく、変更…。
地方都市では長時間の貸切に対応できるタクシー会社を探すのに苦労します。
最大の理由は運転手さんの高齢化。
数時間連続して運転できる体力がないと言われます。
今日は山登りもするし、待ち時間の方が長いんですけどね…。
 
やっと「勝沼ぶどう郷」駅到着。
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駅のホームから甲府市方面が見えました。
右手の山裾の向こうが甲府市だそうです。
もし甲府盆地が湖だったとしたら、勝沼が東端になるのでしょう。
 
さあ出発です。
最初は、勝沼町藤井の鉢塚古墳。神社が併設されているようです。
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道路際に突然、鳥居が出現! 階段を上ってみることに。
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小さな社殿の裏に円墳らしきこんもりがありました。
鉢塚というのですから、円墳で間違いないのでしょう。
…と思ったら、「古代豪族 三枝守国の鉢(首)を埋葬したという言い伝えから」
つけられた名前だそうです。
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タクシーを降りた時に見た石仏などを集めた場所を見おろせました。
神仏混淆の時代には敷地を同じくしていたのかもしれません。
ここで突然、雨が音を立てて降り始めました‼
よほど日頃の行ないが悪いのでしょう。
 
次は数分の距離ながら、住所は笛吹市一宮町大宮神社です。
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かつては広大な社地を有していたのでしょうね。
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残念ながら今や案内板もないため、祭神もわかりません。
 
次も数分の距離にある中尾神社です。
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この↑「飛永明神」にひかれて訪れました。
以前「塩山」駅からすぐの飛大神社と、旧 山梨市立三富小学校隣の飛尾神社
行ったことがあり、飛=トビ? と思ったものの、よくわかりませんでした。
ただ、御神木は立派でした。
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以上 3社はほぼ同緯度でした。次は少し南下し、一宮町千米寺の金山神社へ。
神社への興味というより、石器時代縄文時代の遺跡と書いてあったので
甲府盆地が湖だった時代には丘陵だったに違いないと確認しにきました。
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甲府盆地が下に見えています‼
社殿の規模は普通ですが、鎮座地に意味があるのです。
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今日の運転手さんは、なぜか1枚ずつしか撮って下さいません。
しかも、社殿全体が入るように写して下さいとお願いしているのに…。
よほど面倒なのかな? と思い、この後は撮影を頼みませんでした。
実は、この社殿に向かって左手に重要なモノがありました‼
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凄い三角点でしょ? ちょっと興奮しました。
ここからの出土品はどこで見られるのでしょう?
 
さあ、いよいよ今日のメイン 甲斐国一宮浅間神社の本宮たる山宮神社です。
金山神社からタクシーで数分のぼります。
鳥居からはさらに片道15分、雨の中を歩くしかありません。
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この道を右手の山の裏にまわりこむように進みます。
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山宮大明神」の鳥居まで来ました。が、柵があります。
「クマに注意」と書かれてますし、鹿も出るそうです。
運転手さんは高齢だし、ここから先へ入ったことはないとか…。
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しかたありませんね。恐る恐るの一人旅です。
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しばらく歩くと道が二股に。右の道はジープなら上がれそうですね。
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まだまだ山道が続きます。もう汗ダクダクです。
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やっと社殿が見えてきました。ぬかるみを歩くのは大変ですが、
炎天下だったら途中で引き返してしまったかも?
私にとっては恵みの雨でした。
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なんだかたいそうな森のようですね。
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え?! 本殿が室町時代の建築??
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拝殿が横長なので、裏へ回り込まないと本殿は見えません。
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拝殿前には雨を避けられる場所がなく、演奏修行はできないな…
と思っていたところ、一ヶ所だけ雨に濡れてない場所を見つけました。
気持ちよく 2曲ほど演奏していたら雨がやみました。
傘をささずに鳥居まで戻ると
運転手さんが桃の様子を見に来られた農家さんと話しておられます。
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「最近は遠方からここまで来る人が増えたんだよ」とのこと。
鳥居の前には、かつて神饌用の御供田が三十六枚広がっていたそうですが、
明治40年の水害で鳥居附近にあった古い社家の屋敷跡がすべて押し流され、
落葉林・松林などに変化したと昭和35年の境内案内板に書かれていました。
それが現在は一面の桃畑に!!
 
下ってゆくと、ご婦人が美味しそうな桃を収穫中。
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運転手さんが「買ってゆけば?」と仰るので
「千円で買えるだけお願いします」(←せいぜい2~3個と想像しての発言)
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主婦なので常にエコバッグをカバンに入れてますが、
重くて持てないほど詰めて下さいました‼
いったい何個あったでしょうか? 答えは最後に。
 
木花咲耶姫命を祀る笛吹市一宮町一ノ宮の浅間(あさま)神社
貞観7年(865)に山宮神社から遷座したと伝えられています。
甲斐国一宮なので車の中から撮影しておきました。
人の多い神社は演奏修行できないので基本的にパスしています。
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二宮関連の神社へ行く前に、近くの甲斐国分寺跡などをまわりました。
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シュールな剪定!! ここは大々的な工事中でした。
いずれ観光地として生まれ変わりそう…。
1~2分南西に走ると石船神社
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笛吹市の神社の特徴は、石の鳥居の扁額が割れていること…!?
ここから真東へ戻る形で、一宮町塩田の國立神社へ。
国常立命と国造塩海足尼(甲斐国初代国造)が祭神だそうです。
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では、金川を渡り、御坂町尾山の杵衝神社を目指します。
甲斐国二宮美和神社の古社地なのだそうです。
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川を渡って、少しだけ登りました。
ぶどう畑に囲まれた神社が、右手にあります。
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なぜか、参道からオブジェが生えて(!?)います。
そして真っ赤な賽銭箱の紋は「丸に二」。
 
同じ御坂町ながら、尾山から約3kmの二之宮へ。
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これはまた、どういう立地なんでしょう?!
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甲斐国二宮美和神社。やはり紋は「丸に二」、参道にはオブジェが生えています。
この右手に立派な神楽殿がありましたが、その更に右奥の
摂社群(?)の方が神社らしく見えました。
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ここからは一路北上し、「石和温泉」駅を目指します。
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これはどうしたことでしょう? 雲がどんどん流れてゆきます。
 
そして「石和温泉」駅を越えて山神宮里宮へ。
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「拝殿に向う参道」とはこちら↓。里宮の左手です。
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里宮の社殿に奉納されていた絵↓は
レリーフが目立ちませんが、鏝絵(こてゑ)の一種でしょうか?
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「お天狗(てんご)さん」なのでカラスという発想?
 
さ、いよいよ本日最後の甲斐国三宮玉諸神社へ向かいます。
延喜式神名帳』に「甲斐国山梨郡 玉諸神社」とある式内社の論社は二社。
甲府市国玉町(くだまちょう)甲州市塩山竹森の玉諸神社です。
 
実は私、2015年5月10日に甲州市塩山平沢の船宮神社へ行った際、
甲州市玉宮小学校と道を隔てた玉諸神社が目にとまり訪問しています。
この周辺は古来石英の産地だったのか、玉諸神社御神体は約2mの水晶で、
それが盗掘されてしまったと聞いて驚いた記憶があります。
ただし塩山の玉諸神社は三宮を主張していません。
式内社の論社とされているだけです。
 
他方、「丸に三」の社紋をもつ甲府市玉諸神社
「板垣村御室山にありいつの頃かこの地に御遷座ともいふ」とあり、
社伝によれば、もともと酒折北方の御室山山上に祀られていたとされ、
遥拝所とされる拝殿跡(甲府市善光寺3丁目)が当社の北方約1.5kmにあります。
すると、甲斐国は一宮・二宮・三宮とも
小高い場所から甲府盆地遷座していたことになります。
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湖だったかどうかという以前に、ずっと水害に悩まされた土地だったから
現在まで釜無川での祭祀が続けられているのでしょう。
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ようやく甲斐国を代表する一宮・二宮・三宮をまわれました。
一宮の遷座貞観7年(865)だったことを考えると
三社の遷座は朝廷の意向だったのかもしれません。
 
ここから10分ほどで甲府駅前のホテルにチェックインしました。
今回はツイン(35㎡)が空いていたので予約しましたが、むしろ
ベッドが1台のシングル(30㎡)の方が広く感じられました。
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桃は全部で25個ありました。移動中に公園の水道で洗って食べ、
ホテルに着いてからも食べたので、画像は22個です。
「私が儲けちゃいけないから…」と仰って、エコバッグいっぱいに詰めて
下さいましたが、スーパーでは小さい桃さえ2個500円以上しますよ…。
わずか1,000円で25個とは申し訳ない限りです。
もぎたてなので堅くしっかりしているのに甘い!! と家人も大喜び。
今度はぶどう狩りに行きたい…。