藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

がんばる誕生日

ありがたいことに、今年も元気すぎる誕生日を迎えられました!
アレルギーさえ出なければ、私の身体は本当に頑健といえるのですが…。
 
アーニャにも私にも昨日の修行旅の疲れは微塵も感じられません。
昨夜、アーニャは帰宅するなり道中で頂いたぬいぐるみを
キャリーケースから出してソファに上げました。
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「ひょえ~~振り回し過ぎ!!」
「おともだちだよ」
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「そう、仲良くしてね」
早速コレクションに入れ、ユニクロスヌーピーにのせたりして遊んでいます。
 
元気印のアーニャですから今日もお散歩に行きたいと訴えましたが、雪→雨!!
私も昨日の反省点をクリアすべく、ダイダラボッチの沼へ行くと決めていたのに。
 
関東で最も古い水神のお宮さんといえば蛟蝄(こうもう)神社
宮司さんは延喜式神名帳に従い「ミツチノかむやしろ」と読まれるそうです。
「ミツチ」とは伝説上の龍蛇?=水神でしょうか。
私は3-4回ほど訪れていて、特に立木貝塚に建つ門の宮がお気に入り。
現在の奥の宮ヤマト王権に組み込まれたのちに建てられたものです。
 
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蛟蝄神社のある立木貝塚から出土した土偶
縄文時代後期のものとされているため、当地には
縄文以来の古代祭祀の歴史があったと考えられています。
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関東甲信地方出土の土偶では片目のものに着目しています。
片目といえば日本神話に登場する製鉄と鍛冶の神。
長時間火を見続けることで起こる"職業病"の暗示でしょう。
たたら製鉄に関わる巨人ダイダラボッチにも隻眼の設定があります。
 
関東甲信地方とは、まさに昨日行った鉱山跡密集地帯も含まれます。
そして、今日はダイダラボッチ伝説を追って笠貫沼=笠脱沼へ行く予定でした。
 
   むかし、大田羅(だいだら)の神がこの地においでになり、笠をぬいで、しばらく
   休憩されました。ところが、その笠の重みで凹みができ、そこに水がたまって
   大きな沼になってしまいました。そこで土地の人びとはこの沼のことを笠脱沼
   (かさぬきぬま)と呼びました。              北相馬郡志』より
 
古くは常陸国風土記「那賀郡」にもダイダラの記載が。
    平津の駅家(うまや)の西500-1,000mのところに岡がある。名を大櫛という。
    遠い昔に、人がいた。体格はきわめて背が高く、からだは丘の上に座って
   いながら、手で浜辺の大蛤をつまみとるほどだった。
    その食べた貝の殻が積もって岡となった。当時の人が "おおくじり"
   (大いにつまみとる)の言葉から取って、今は大櫛の岡という。
    かれの踏んだ足跡は、長さ約72m、幅が36mあまりである。
 
すると、古代人にとって、貝塚とダイダラはセットだったのでしょうか?
蛟蝄神社のHPによれば、
例大祭湯立て神事は笠脱沼の水で執り行なわれるそうです。
また、沼から龍神が舞い上がって神社の方へ向かったとの伝承もあるそうです。
やはり「ミツチ」=龍蛇ということになりそうですね。
 
そして地図で確認したら、蛟蝄神社 門の宮・奥の宮・笠脱沼
いずれも北緯35.87に位置していました。
奥の宮は時代が新しいので同列には考えられませんが、
門の宮笠脱沼を結ぶ線上(1.25km)のほぼ真ん中に位置しています。
ここでは貝塚とダイダラボウはセットのようです。
 
行きたいのは山々ながら、昨夜から降り始めた雪が
日付が変わっても断続的に降り、15時過ぎに小雨に変わっています。
コトの糸が濡れたら終わりなので迷うところです。
が、行動を起こさないと何も始まりません。
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15:40、この空の暗さはどうでしょう?なかなか雨が上がってくれません。
ここまでキャノピーはワイパーを動かしながら走ってきました。
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さらに走ると住所表示が「北相馬郡利根町大房(ダイボウ)」!? 期待大です!
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右折すると蛟蝄神社。左手のこんもりも気になりますね。
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沼はこんもりの先を右折したところにありました。
地図で確認したら間違いなく笠貫沼=笠脱沼でした。
↑あの重機はいったい?!
いつの間にか雨は上がっていましたが、地面はドロドロです。
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さほど大きくないのは、笠を置いたとの設定だから…?
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振り向くと東一面は田圃!?
古代から沼の位置や風景はさほど変わっていないのでしょうか?
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たしかに、西に蛟蝄神社奥の宮が鎮座する丘が見えます。
ただし門の宮奥の宮とも社殿は南を向いていて、東にある笠脱沼とは
無関係に見えます。ということは古代の太陽信仰でもない。
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農道とはいえ、これだけ幅があるのに舗装されていないのは珍しいですね。
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風を遮るものも無く、手袋を脱いで調絃しようとしたら
手がかじかんでなかなか琴柱が立たなかったものの、
この光景から『葦原田の』がふさわしいと判断し演奏し始めました。
『神擧』は、最初、昨日より流れがスムーズだったので
やはり平らな場所に座っているからかと思っていましたが、
サビの部分(←失礼!!)で 2オクターヴ一気に上昇する超絶技巧が
今一つ決まらず、往生際が悪いとは思いつつ再度繰り返しました。
この部分、1/10に掴めたと思い、家ではほぼ納得できているのに
屋外で気持ち良く歌えたのは1/10だけです。
(というか、その後『神擧』を外で演奏したのは2/1、2/2のみ!?)
 
まだまだ課題を抱えている私。
まずは「やる」と決めること、
そして足を運んで実践すること、
失敗を恐れないこと、
これを自らに課し、がんばった誕生日でした。
これからも叱咤激励を賜りますよう
よろしくお願い申し上げます。