藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

2Fからの水害より復活したオルガンと久米氏

昨夜の不幸は、今日食器の一部を移動させるため
段ボールをマンションに持って行ったことに端を発しています。
玄関に置いてくるだけだから…と、マスクもせずに行ってしまったのです。
一軒手前あたりから、物凄いカビ臭でした。
ほんの一瞬ドアを開けて段ボールを2枚玄関に入れ、
友人の車に乗った途端、気持ちが悪い…と口にしていました。
そしてホテルにチェックインした後、意識を失ってしまったのです。
 
いま考えれば、アナフィラキシーだったと思うのですが、
こんなに強く症状が出たのは初めてでした。
家人からの二度目の電話で意識が戻り、
薬を飲むなどして零時に着替えて就寝。
4時にはパッチリと元気に目覚めました!
 
朝日を撮ろうと思ってもなかなか明るくなってきません。
検索したら、宇多津の日の出は7:09でした。
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しかし雲が厚くて太陽は見えません。
 
そして10時に、修復された水濡れオルガンを預かって下さる知人の持ち家へ。
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二度までもクラウンオルガンの修理をお願いした白川ピアノさんが
100年以上前から無垢材でオルガン用のイスを作り続けている
世界で唯一の会社から輸入されたイスの残りが黒とマホガニー
一色ずつになったのでと見せて下さったので、マホガニーを購入しました。
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やっぱり無垢材はいいですね~。オルガンもイスも無垢材!!
尊敬する白川さんも
「ピアノはともかく、100年以上前のオルガンは代わりがありませんからね」
と仰っておられました。
楽器としては無くても演奏できる上部のクラウンがあったおかげで
楽器部分の水濡れ被害が最小限で済み、本当に良かったです。
 
そうこうしていたら、友人から
「マンションの片付け、手伝おうか?」とのメール。
天の佑け!? とばかりお願いしてしまいました。
二人ともマスクを二重にして手早く片付けたので、
ゴミの搬出と廃棄をお願いした業者さんが来られる前に作業終了!
工事中に割れたりしたら困る食器の入った2つの段ボールを
クラウンオルガンと一緒に預かって頂きました。
 
昼食ののち、別の友人の車で気になる神社を回りました。
ゴミ出しのためだけに帰るなんて馬鹿馬鹿しいですからね。
 
現在の宇多津町は明治32年より「綾歌郡」に属していますが、
以前は「鵜足郡」でした。
徳島県内最大の旧石器散布地椎ケ丸古墳へ行った際、
隣接する御所神社がかつて鵜足郡鵜足津から吹越大明神を勧請した
吹越神社だったとわかり、吹越大明神とは? との疑問を抱いていました。
 
古代、現在の海岸線沿いの宇多津から
徳島県への山越えの道までを含んでいたとされる鵜足津。
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あの山並みの向こうが徳島県です。
渡来氏族を指す「綾=漢=アヤ」の「阿野(アヤ)郡」に対し、
海人族っぽい名称の「鵜足(ウタ)郡」をおさめていたのは誰か?
この答えが吹越大明神を特定するカギになるのではないかと感じます。
 
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この地名を見つけた時、かつて天久米命とも称された大来目命の末裔が
鵜足郡をおさめていた可能性があるのではないか? と感じました。
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このバス停の横にある階段を上ると亀山神社がありました。
「亀」も海人族を連想させますが、地元の方々はこの神社を
「久米氏の八幡さん」と呼んでいるそうです。
由緒に
神櫛王の家臣 武内宿禰の裔坂元が宇佐八幡宮坂本村西部の地に
勧請したのが創祀といわれる」とあるためでしょう。
けれど、この立地は神櫛王以前の祭祀を思わせます。
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かのダイダラボッチの山、古事記ではイイヨリヒコの山を仰ぐ形でした。
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社殿の奥の高台から讃岐富士たる飯野山に向かって演奏してみました。
やはり高台=国見丘に立つと気持ちがいいですね。
 
次は応安4年(1371)に久米左京亮盛重が三嶋大明神を勧請して創建したと
由緒書にある三嶋神です。
香川県神社誌によれば、久米左京亮盛重は当時細川頼之の家臣で、
伊豫の河野氏を討つ際、大三島の神に祈って勝利したため、
凱旋後、当地に祠を建て、三嶋明神と奉称したとのこと。
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「あれ? 八幡?」と戸惑っていたら地元の方がいらして
「久米氏が三嶋明神を勧請する前は八幡だったので我々
氏子もどっちの名称を使うべきなのか、ハッキリわからないんですよ」
と教えて下さいました。
 
更に旧鵜足郡を南下して比留田神社へ。
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ヒルタ=ヒルメの連想からですが、社殿が苦手なので奥へ回りました。
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うわッ、いいですね~あのこんもり!
古代の円墳かしら? と妄想しつつ大日霊女の歌を演奏してみました。
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わずか3時間ほどの演奏修行でしたが、ゴミ出しのために帰省したと思うと
トホホ…なので、良い気分転換となりました。