藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

城中八幡~泊崎

先日、泊崎(はっさき)へ散歩に行った際、かつて香取海に浮かんでいた
岩礁のピークで富士山を遥拝する浅間大神の石碑を見つけました。
 
地図を見ると、香取海時代は対岸だった半島の先端のこんもりに
城中(じゃうちゅう)八幡神社があったのですけれど、
永正7年(1504)に足高(あだか)城主が鶴岡八幡宮の分霊を勧請して創建したと
書かれていたので新しい神社だと思い、足を運びませんでした。
ところが帰宅して調べると、この足高城址の北西に足高貝塚がありました。
香取海時代にさざ波の聞こえる集落があったことは間違いありません。
但し、つくばみらい市文化財一覧を見ても字(あざ)名しかわからず
地図上で探しようがないため、取りあえず足高城址へ行ってみることに。
イメージ 1
先日の浅間大神を通り過ぎて直進すると二股に分かれていました。
城跡ですから、ここは当然、台地へ上がるでしょう。
イメージ 3
唐突にこんなものが!? 土塁跡だと仰る方もおられますが?
裏側へ回ると↓こんな感じ。
イメージ 2
うわぁ…香取海が見えます!(←ほとんどビョーキ)
バイクでほんの少しあがっただけでこの見晴らし!!
イメージ 4
さあ、台地の一番奥(北東)に社殿が見えてますよ。
本丸はこの左手あたり(現在は広大な竹藪)にあったとされています。
イメージ 5
右手の木々の間から見えるのは先日の浅間大神が鎮座する岩礁
イメージ 6
左右とも急斜面で、この長い参道だけが平地です。しかも社殿の手前が円い。
1504年に足高城主が鶴岡八幡を勧請するまで
ここが空き地だったりしたでしょうか?
貝塚のある縄文時代からの集落のピークに古代祭祀場が無いなんて考えられません。
戦国時代には速やかに城を築くため、山や岡のてっぺんに建つ社寺を
城として再利用するといった例が幾つもありました。
 
神社へ行き始めた頃に、この国では氏族も社寺も「背乗り」に注意と
書かれた書物を何冊か読み、いったい何のことだろう? と不思議でしたが、
3つも4つもある鳥居の社名が全部違うと、このことか? と感じたりします。
いわゆる新興宗教が古代からの霊地を聖地とするのも、
私のような霊感の無い者にはわかりかねますが、
磁場というか、土地のエネルギーを強く感じる場所だからなのかも知れません。
数値で示してくれるとわかりやすいのに…。
イメージ 7
城中八幡神社の扁額が掛かっています。神社とあるのですから明治以降です。
手前の円形広場が気に入ったので演奏修業をします。
今日はさざ波が聞こえたかもしれない場所ということで神楽歌《篠波》です。
以下、末歌のみ歌詞を載せますが、
私はこの歌詞では演奏しません。他にも異本がありますので。
 
『神楽和琴秘譜』(11世紀初頭)
あし波良多乃 以名支加仁乃や おの礼さ 与乎衣須と天や
さゝ介天波お呂しや お呂し天波さゝ介や か奈計遠するや

楽家録』(1690)
あしはらだの いなきかにのや おのれさ よをえずとてや
さゝげてはささげや さゝげてはささげや かなげをするや

雅楽歌曲集』(1964)
葦原田の 稻舂蟹のや 己さ よを得ずとてや
捧げては捧げや 捧げては捧げや 腕挙(かひなげ)を。
 
鍋島本『神楽歌』(12世紀)の注に
「口伝によると、御前で歌うときはささげてはささげと歌うのである。
これはおろしを忌むべきであるから」とありますが、
私は御前で演奏しているわけではないので採りません。
 
イメージ 8
「終わったよ」と言っても膝からおりないアーニャ
「さぁ、白鳥さんのところへ行こうね」
イメージ 9
楽器を片付けたら一人でサッサと参道を戻ってゆきます。
イメージ 10
「危ない。待て!」と言うまで進んでしまいました。間一髪でした。
どこへでもピョンピョン出て行っては車にはねられかねません。
 
泊崎へ行くと白鳥さんはいませんでした。
先日ボートを修理していた男性が居られ、その方がボートにカメラをセットして
おむすびを食べていました。ずっと白鳥さんの姿を見ていない感じでした。
私は水際まで行って写真を撮ったのに、どこから「ミャア、ミャア」という
鳴き声が聞こえてきているのか気にも留めませんでした。
あまりにも小さく、枯れ草と一体化して、じっとうずくまっていたので。
イメージ 16
アーニャが引っ張るのでネコに気づきました。
「お腹が空いてるの?」と訊くとヨロヨロと立ち上がりました。
この場所で何度か野良猫を見かけましたが、皆すばやく逃げていました。
近所の方にしてみれば野良猫を排除(!?)したいと思っておられるのかも
しれませんが、目ヤニで目が開かなくなっているし、ガリガリに痩せていたので
白鳥さんにあげるために持ってきたパンを少しあげました。
イメージ 11
非常識で勝手な真似をして申し訳ありません。
捕獲して動物病院へ連れてゆくべきか…とも考えましたが、
以前見たネコたちが親かもしれないと思うと、それも出来ませんでした。
イメージ 12
もう一ヶ所の船着き場へ行くと、いつものペアが居ました!
どうやら対岸の葦原を寝床にしているようですね。
イメージ 13
向かって左からメスが、右からオスが泳いできました。
イメージ 17
こちらは安定の仲良しさんです。争わずにパンを食べてくれます。
イメージ 14
アーニャが近づき過ぎると「シャア~」と威嚇するします。
イメージ 15
「そろそろ帰ろうか」と言うと
バイクに乗りたくなくて逃げ回るアーニャです。
今日も楽しかったね~。