藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

吉野~十津川村

11/17、もう二度と行くことはないだろうと思っていた十津川村へ。
9時間の移動は体力的にも精神的にも厳しい…と言うか
外国へ行けてしまいますので。
しかしながら、突然山登りがしたくなり、今までに心残りのある山は?
と考えると「倭琴の旅」を始めるきっかけとなった玉置山が浮かんだのです。
 
当時、私はまだ短い倭琴を作っていませんでした。
200cmの和琴を持って電車で移動していたのです。
そんな格好で山登りなど出来るはずがありません。
登呂遺跡から出土した弥生時代の短い倭琴を復元すれば
どこででも演奏できるとの気づきを得たのが玉置山だったのです。
 
玉置山へは、土日のみ、十津川村奈良交通と提携してバスを出しています。
そのバスは雪の多い12月~3月の間はありません。
家人に11月中で在宅の可能性がある日を尋ねてスケジュールを決めました。
が、この土日も翌週の連休も宿が全く無かったのです⁉
 
それなのに私は今日、十津川温泉に泊まっています。
信じられないような幸運が舞い降りた…としか言いようがありません。
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こんな芸をしてくれる14歳の可愛いフクちゃんのおうちに泊まってます。
 
どうしてもこの日程でしか出かけられない私は、タクシー会社に電話をして
インターネットに宿泊情報を出してない宿を訊き、民宿を教えて貰ったのです。
そこは工事などで長期滞在する方が多いとのことでした。
電話すると「何曜日ですか?」と訊かれました。
「土曜です」と答えると、「土曜日なら何とかなるかもしれません」
と意外な返事が⁉ 週末は自宅に帰る方がおられるのだとか。
 
ところが、結局、一室も空きが出ず、オーナー一族のはなれの
一室に泊まらせていただいてます。別棟でなく、まさに民宿。
最も心配な食事は、小麦アレルギーだと伝えたら
「うちには小麦粉は置いてません」と言われ完食できました!!
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いまどき、冷凍の食材を使ってないだけでも有り難いですよね。
嬉しいことに、白和えの食材は香りの良い「ミツバ」でした。
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そして焼き立ての「鮎の塩焼き」!! スゴイ民宿でしょ?
二食+具沢山おむすび弁当で、宿泊代が7,800円!?
朝も全て温かいものを出して下さいました。
中国野菜の朝食が2,300円とかいうホテルには泊まりたくありませんよね…。
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食事はオーナー一族の釜飯屋さんで。看板犬はフクちゃんです!
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鶏肉ベースのダシで炊いた釜飯に卵って⁉ 親子釜飯?
 
食後は部屋でコーヒーを淹れて頂いた上、手作りの柏餅まで頂戴しました。
フクちゃんは廊下で寝るらしいので、頻繁にトイレへ行かないようにしないと。
 
さて、今日は昨日一日常備菜を作り続けたせいか、珍しく疲労困憊という
状態で目覚めた上、新幹線や特急の車内でマスクをせずに咳き込む人が多く、
だんだん風邪気味というか熱っぽくなってきました。
ところが、3時間もかかるため憂鬱なはずの新宮行きバスに乗ったとたん
ケロっと元気になり、よほど吉野が好きなんだなあ…と感じました。
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バスの窓を開けっ放しで走りながら撮っています。
吉野から無農薬の柿を取り寄せて毎日3-4個食べてる私です。
もしかして、柿↓棄ててる?
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それにしても、ここ何年も紅葉らしい紅葉を見ていません。
今日は楽しみにしていましたが…。
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あ、賀名生(あのう・かなふ)を通過中ですね。
南朝に関心のある者にとっては重要な場所ですが、未だ行けていません。
賀名生の里歴史民俗資料館。
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こちらは堀家住宅「賀名生皇居跡」ですよね?
残念ながら、いつも素通り…。車窓から眺めるのみです。
 
11/18
当初の天気予報は11/17が雨、翌日もその影響が残るとのことでした。
でも天気予報は日々刻々と変わるので決行!
朝7時に部屋のカーテンを開けると少し靄っていました。
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けれど、8時過ぎにバスセンターへ向かう橋では快晴!!
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三度目の玉置山ですが、いつも天候に恵まれます。
前回は山頂まで行く時間がなかったので、今回は直接山頂へ向かうことに。
駐車場から参道を通って社殿および玉石社で参拝して頂上へ向かうと
約45分かかると役場の方が仰います。すると、往復だけで90分。
バスの待機時間が105分ですから、樹齢三千年超の杉を見て歩くのも
駆け足になってしまいます。見どころ満載の玉置神社なので。
ただ、私は三度目なので山頂直行をお許し頂けるかと…(誰に?)
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初回に、バスの運転手さんから教えて頂いた登山道の入り口です。
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なだらかな道とはいえ、落ち葉がビッシリ敷き詰められていて
普通のウオーキングシューズだと滑りそうです。
真夏のような日射しで、とても上衣を着ていられず、途中で脱ぎました。
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山頂に着きました。
が、ここは登ってきた方が必ず鐘を鳴らすので↓演奏修行には向きません。
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円形の古代祭祀場っぽい場所を見つけなくては。
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よし、ここを今日の舞台にしよう!
と、何と、4曲も演奏修行しました。
やっぱり社殿などのない山頂が一番気持ちいいですね~。
帰り道は空が見えて快適でした。
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行きが15分、帰りが10分、駐車場に戻るのが早過ぎました。
もう1曲演れたかな…? と貪欲な私。
時間があったので駐車場から果無(はてなし)山脈を撮りました。
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行ってみたいものですが、あの一番高い所ですよ……。天空の暮らし!!
 
さて下界へおりたら再び 3時間のバスの旅です。
これに耐えられなくては十津川村へも熊野本宮へも行けません。
ですが、唯一の退屈しのぎのブログも、山の中を走っているため
auが圏外になることが多く、画像数枚をupしただけで五条駅に着きました!?
途中の楽しみはもう谷瀬の吊り橋で食べる生コンニャクしかありません。
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昨日の行きは、お店が閉店間際だったので歩きながら食べ、
今日は店内で座って頂きました。
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幾度も見た谷瀬の吊り橋ですが、このバス旅は
ここでの休憩20分がなかったら耐えられないでしょうね。
 
そして次の休憩は五条駅のあとの五条バスセンターとわかりました。
私は近鉄御所駅から乗りたいのですが、20分もムダにするのは勿体ない!
そこで、五条駅からタクシーで近鉄御所駅を目指すことにしました。
というのも、ず~っと行きたくて行けてないポイントがあったのです。
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うわぁ~、こんな雲、見たことがありません。
この雲を撮った場所が鴨神。そこに旧高野街道の「風の森峠」があります。
その頂上…とは言ってもさほど高くない場所に風の森神社があるそうです。
しかしながら道が狭くてなかなか到達できません。
やっと小さな石段を上がって見つけたのがこちら↓
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境内の案内板には
「本社は、御所市大字鴨神、旧高野街道・風の森峠の頂上に位置しています。
御祭神は、志那都比古神をおまつりしています。
志那都比古神は、風の神であり、古事記日本書紀には、
風の神に因んだ事柄が記載されています。
又、葛城地方は、日本の水稲栽培の発祥の地ともいわれており、
風の神は、五穀のみのりを、風水害から護る農業神としてまつられています。
日本では、古くから、風の神に対する信仰があり、毎年旧六月には、
各地で薙鎌を立てて、豊作を祈る風祭が行われています」とありました。
 
葛城地方はやっぱり深いですね…。