藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

常陸太田

おはようございます!
ものすごい曇天です。ということは雨は上がっている。
ただし山の天気は変わりやすいので要注意ですね。
今日も18日と同じ時刻に常磐線に乗ってます。
そろそろ常陸国を終われそうかな? という感じです。
もっとも書き始めたら疑問が出てくるとは思いますが。
 
常陸国に五絃のコトを持つ海人族が移住したことは既に出土品からも明らかです。
それと水戸徳川家に追われる前の佐竹氏まで続いた佐渡新潟に次ぐ金の産出。
ヤマト王権に大和を追われた製銅製鉄の技術者たちの移住について
現存する神社の祭神などから探ってきました。
 
その過程で、彼らの痕跡を消すことが光圀の寺社改革の目的だったのでは?
と感じ始めたほど無惨でメチャクチャな文化破壊が行なわれていました。
後続の政権としては当然の措置だったのかもしれませんが、
これが明治の神仏分離令に繋がって国家神道を生み
戦争へと突き進む精神的支柱になったのだとしたら恐ろしいことです。
 
ともかく今日は水戸家以前の豊かな常陸国を築いた佐竹氏の本拠地へ行きます。
 
水戸駅から常陸太田方面へ向かう道は晴れ!
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竜神峡へも立ち寄らず、武生(たきゅう)を目指します。
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うわあ~今年の初コスモス!
彼岸花には蝶々がとまっていました。
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     武生山(458m)は、神武天皇の頃、大戸道尊が山頂に降臨したものを
     大宝元年(701)修験道の開祖とされる役小角が神霊を武生山上に遷祀。
     大同元年(806)には坂上田村麻呂蝦夷征討に際して武運長久を祈願し、
     本殿を奉献したと伝わる。
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あれ? 周囲の山が低いからか、もっと標高があると感じました。
 
3,000坪を超える境内に杉の巨木が生い茂る武生神社
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太郎杉です。
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なにせ3,000坪超の境内ですから森林浴に最適で
ふかふかの地面(腐植土?)を歩いて楽しんだ後、真面目にお稽古してます。
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武生」は催馬楽《道の口》の歌詞にある越前の国府たけふ」を想起させます。
たきゅう」とはまた奇妙な読み方だな…というのが始まりで、
元来は「たきふ」だったのではないかと思って調べてみますと、
永正7年(1510)滝生山明王寺が建立され両部神道の道場となったとありました。
そして例に漏れず、水戸光圀公の命により武生山飯綱大権現となったそうです。
何だかセンスの無い当て字ですねぇ…。
 
折角ここまで来たので、以前御岩神社で見た薩都神社の元宮へ立ち寄りました。
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ずいぶん立派な社殿ですねぇ。御岩神社境内の薩都神社は祠みたいでしたが?
いまブログ「義公と御岩」に画像を追加しました。
 
社伝によれば
延暦7年(788)に創祀、延暦19年(800)に賀毘禮の高峯に遷座したのち、
大同元年(807)に小中島へ、大永2年(1522)に現在地へ遷されたそうです。
(しかし同名の元宮が現存し、その方が大きいというのも珍しいですね…)
 
常陸国風土記』にこうあります。
(太田郷)より北に薩都の里あり。古、國栖あり。名を土雲といふ。
ここに、兎上命、兵を發して誅ひ滅しき。
時に、能く殺して「福(さち)なるかも」と言へりき。
因りて佐都(さつ)と名づく。北の山に有る白土は(顔料として?)畫に塗るべし。
東の大き山を、賀毘禮の高峯(当社の北東9kmの神峯山か御岩山?)と謂ふ。
即ち天つ神有す。名を立速男命と稱ふ。一名を速経和気命なり。
本、天より降りて、即ち松澤(当社の南?)の松の樹の八俣の上に坐しき。
神の祟、甚だ厳しく、人あり、向きて大小便を行る時は、災を示し、
疾苦を到さしめければ、近く側に居む人、毎に甚く辛苦みて、
状を具べて朝に請ひましき。
片岡の大連を遣はして、敬ひ祭らしむるに、祈みてまをししく、
「今、此處に坐せば、百姓近く家して、朝夕に穢臭はし。理、坐すべからず。
宜、避り移りて、高山の浄き境に鎮まりますべし」とまをしき。
是に、神、祷告を聴きて、遂に賀毘禮の峯に登りましき。
 
最後に、磯部の峰山(32.6m)鎮座の五十部神社へ立ち寄りました。
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「いそべ」という発音が重要で、漢字は「五十」でも「磯」でもいいんですね。
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階段を登っていると右側に「峰山館跡」の碑?
裏に「柳橋屋敷とも呼ばれる。館主ははっきりしないが
正長元年(1428)山崎出羽守峯山城を討つ」との記載あり。
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あれれ?! 峰山山頂にある神社は熊野鹿島神社
地図にも五十部神社の表記と熊野鹿島神社の表記のものがありました。
 
また「御老公さま」の仕業ですかね?
 
しかし「峰山山頂に鎮座」とのことで、登山登山と騒いで行ったのに
標高32.6mだったとは…!!
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水戸駅まであと20分、16:41の空です。
18時には真っ暗ですから、かなり日が短くなりました。