藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

高瀬川~「吉津」

御神楽(みかぐら)歌に《薦枕(こもまくら)》があります。
現在の歌詞は
たがにへびとぞ しぎつきのぼる あみおぎし
ですが、古くは
薦枕や 高瀬の淀にや あひそ たか贄人ぞ しきつきのぼる 網下ろし さてさしのぼる
あめにます 豊岡姫のや あひそ その贄人ぞ しきつきのぼる 網下ろし さてさしのぼる
という長い歌詞が記録されていました。
 
こういう文献を見つけたら、その歌詞で演奏したいと思うのは当然です。
私的には幾つかの疑問点を解決して全歌詞を歌えるようになっています。
 
先日、ふと、香川県にも高瀬という住所や高瀬川があったなぁ…と思い出しました。
すると、4/12に行った「吉津」は、名前の通り解釈すると、高瀬川に面した良い港?
これは、うっかりしてました!
すぐにでも足を運ばなくては…と思っていたら停電で帰省と相成りました。
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高瀬川に架かるこの橋を渡るのは二度目です。
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上の画像左手を走っていたら、掘割のような景色が見られました。
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そして↓この常夜燈! 対馬でも阿波でも入り江の神社で見ました。
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船で参拝するタイプの社頭に灯台のように建っていますよね?
現状は道路脇にありますが、かつては波打ち際にあったに違いありません。
そう確信して次の角を曲がったら、↓この案内板が!?
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うっわあ〜〜、大当たりでした〜!
高瀬川北前船が来ていたとは、初耳です。
ただし、荒魂神社へは上がれていません。
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昔の石段は奥行きが狭くて、ほとんど真っ縦!?
しかも草ボウボウで、今では登る人もない様子…。
高瀬川に面した場所で《薦枕》を歌うという演奏修行は次回に持ち越しです。
 
さて、ここ三豊市三野町吉津乙の荒魂神社からは直帰しました。
ここまでも全く予定通りに運んでいない今日のミニ旅でした。
では今日の出発時点から。
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丸亀城の前を通って11号線に出ます。ずっと11号線をまっすぐ行くらしいので。
結局、目的地へは途中で11号線から右折しなくてはならなかったことに気づかず
高瀬駅まで行ってしまいました。
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駅近くから見えるあの山が気になって仕方ありません。
ああいう掘削された山は古くから何かを採掘していた可能性があるため!?
地図を見ると、前々から気になっていた大水上神がありました!
讃岐国二宮と同名の神社が、なぜ高瀬駅の近くにあるんでしょう?
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ちょっと拍子抜けするような社殿でした。
しかし、この山を登って北西に抜けるしかないので上がります。
地図には爺神山公園とあります。爺神山? 何と読むのでしょう。
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少し上がりました。やはり讃岐と言えば「ため池」のある風景ですね。
山肌を見ると階段がはりついていました!? が、駐輪スペースがありません。
もう少し登ると左手に坂があったので、ZOOMERで上がりました。
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え⁉︎ 金刀比羅宮? 唐突すぎませんか…。
昨日行った大麻山が見えていて、その向こうは琴平山ですが?
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ふむふむ…妄想を働かせますと、金比羅さんの祭神は大物主。
大国主ですから、爺神=男神を暗示しているのかも?
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ここからまだ登りなのに、なぜか三角点?!
社殿の奥もかなり社地が続いています。
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ここが古墳でもおかしくないけど?
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非常に興味深い空間でした。
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来た坂を下りて左折し、さらに登ります。先に大師堂があるようなので。
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ここまでの道にビッシリと石仏が並んでいたのはミニ四国霊場だったんですね。
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爺神山はここまで。検索したら「トカミ山」でした!?
これまで行った幾つかの「トカミ山」「トカミ神社」は、全て漢字が違います。
念のため申し上げておきますと、私は日本のピラミッド信仰には興味ありません。
旅の途中、偶然が重なって行っただけです。
 
では、右折して北西の七宝山を目指します。
以前、タクシーの運転手さんからダイダラボウの足跡があると聞いた山です。
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讃岐平野らしい風景だなぁ…と思いつつ走っていましたが、
住所が「吉津」なので、かつてはこの辺りも大干潟だったのかも?!
ご機嫌で走っていたら、大きな神社があったので寄り道。
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予想外の伊豫神社でした。これも国取り合戦の名残りでしょうか?
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↑この「◯雷(電?)大明神」がヒントになるかもしれません。
八千戈の「戈」でしょうか? ならば物部。
古来、サヌキ=サナキで、銅剣・銅鐸の生産地なので。
いや「戈」でなく「弌」かもと考えたりしましたが、未だわかりません。
ただ「伊予温古録」に
神武天皇御子神八耳命、伊豫國造の大祖神饒速日命の曾孫饒田命の女を妃とし
伊豫國造家を継がせ給ふ。勅を受け伊豫訓見國徳威県神戸邑に下向あり、(中略)
この命の御孫建石龍命神野國造となり給ふ」とあることから、
伊豫神社であっても物部の可能性がありそうです。
 
宿題ばかりが増えますね…。
さて、丹生に関係の深い八柱神社に着きました。
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えええ〜〜〜?! 何も無い!! 社殿がなくなってしまったのでしょうか?
左手に登山口があるようです。
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真平山? 地図上は七宝山ですよ?! しかし↓このマップでは社山
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山頂に龍王神社があるので間違いありませんね。
すると北と南で呼び名が違うといった感じ?
急勾配をエイっと登ると社殿がありました。
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この位置に社殿があるということは、さっきの台座は
常夜燈のものだったかもしれませんね…。
「吉津」の地名が示すものが津=港だとしたら、汐木山荒魂神社より
南西に鎮座する八柱神社まで船を使っていた可能性は高いと思います。
そんなことを考えながら高瀬川の河口に向かい、汐木山荒魂神社の前を
通って、さぬき浜街道を一路東進したのでした。
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あ、津嶋神社だ!!
年に2日だけ、
今年開業104年となった予讃線の臨時駅「津島ノ宮駅」に電車が停まります。
なつかしいですね〜。子供時代には宇多津から船で参詣していました。
何でも子供の神様とか言われてて(もちろん何とでも言えるわけですが)
高校時代の同級生Mちゃんがお稚児さんに選ばれていたのだとか!?
すると、幼児の頃すでに会って(見て)いた可能性が!?
素通りする縁もあれば、深まる縁もある。不思議ですね…。
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二代目 歌川広重の諸国名所百景「讃岐久保谷のはま」に橋はありません。
島と対岸を結ぶ津島橋(全長250m)が架けられたのは昭和8年(1933)だったので。