藍川由美「倭琴の旅」

やまとうたのふるさとをもとめて倭琴と旅をしています

宇志久=牛久

起床後、突然思い立って牛久市岡見へ行くことにしました。
「おかみ」という地名が「たかおかみ」「くらおかみ」などの
神というか神社名を連想させたからです。
 
「牛久」という地名は、
和銅6年(713)に『郡・郷の名は好字をつけよ』との詔(みことのり)が出され、
「宇志久」と名付けられたのが最初なのだそうです。
常陸国河内郡宇志久郷」が上の明治初年の略図と重なるかどうかは不明。
「岡見」という地名の由来もわかりません。
 
ならば実際に足を運んでみようと思い立った次第です。
mapを見ると、上の図中央あたりの「岡見」の手前の「上太田」に
「大日塚および大日如来石仏」の字があったので立ち寄ることに。
私は「香取海」を走るのも好きですし、縄文台地を走るのも好きです。
ですから目指す場所へ到達できなくても、さほど落胆はしません。
上太田町を走っていたら、ポツンと薬師堂がありました。
その先には、唐突に鹿島神社
ここにバイクをおいて奥まで歩くのはちょっと…。
mapによれば、この先に「大日塚および大日如来石仏」があるはずです。
mapを見るとこの奥なので泥濘を進みましたが、私有地のようだし、
畑を荒らすのも憚られるため、引き返しました。
もう一つ道があるはずですが、見当たりません。
位置も角度もここなのですが…、未舗装だし、畑に突っ込むことになります。
残念ながら、諦めるほかありませんね。
「岡見」の八坂神社はここから6分と出ました。
どう見ても神社ですね。とてもわかりやすい場所にありました。
左折して社地に入ると想像を超える風景が!?
かつてはどんな神社だったのか、想像がつきません。
非常に社地が広く、社頭に八坂・八幡・剣神社とあります。
わけがわからない場所で演奏するのは気が進みませんが、
今日は古代歌謡の発声のポジションを確かめるのが目的なので。
再建されたという八坂神社の社殿の左奥に剣神社がありました。
この「来歴」は石板が光って肉眼でも読みづらく内容が把握できていません。
そもそも社伝ほど不確かなものはないと申しますか、この碑文の最後にも
御神体の御姿が現れ…」とあって絶句!!
特別な縁故者だけでなく、誰にでも見えるのなら見せて頂きたいものです。
 
神楽歌を演奏してみたら、声帯の回復が遅れていることがわかりました。
しかたありませんね。次へ向かうとしましょう。
ナビがこの道へ入ると言うので目を凝らしたら、道の奥に鳥居が見えました。
ありました、愛宕神社です。
今日クロアゲハが姿を見せたのは、この画像を撮ろうとした瞬間だけでした。
バイクを追い越して、鳥居の反対側の栗の林に埋没してしまいました。
小ぢんまりとした社殿で、こちらも再建されたとあります。
この建物が旧社殿だった可能性もありそうですが?
神社よりも、虫食いだらけの栗の木が気になって、
栗の実を売って頂けるものなら…と周囲を見回しましたが、
どなたもいらっしゃらず、残念でした。
「岡見」に隣接していますが、ここは「稲敷郡阿見町小池」。
ここから「阿見町飯倉」の鹿島神社へ向かいます。
うわっ!? あれは私が苦手な偶像…牛久大仏じゃありませんか。
住所は「牛久市久野町」ですって。ここを通過して再び阿見町に入るんですね。
なんで私はこういう宗教関係の偶像が苦手なんだろう…と考えつつ
走っていたら、初めて自分なりの答えに辿り着きました。
「情けは人の為ならず」で、神仏を恃む前に、人のために生きようと心がければ
自分自身の器が大きくなり、成長できるのでは? と考えているからです。
自分の人生なのに、キツネやオオカミや仏像に頼っちゃ勿体ない!?
そんなことを考えながら走っていたら、この信号が赤で停止。
これが、かの有名な阿見のアウトレットですか?
ブランド品に興味があるような人間なら、地べたに座って
演奏修行したりはしませんよね(アハハ…)。素通りします。
うわぁ、この二股でナビに左折しろと言われました。
左は下り坂なので、絶対に違うと思いましたが、進んでみると
雪印メグミルク阿見工場の裏を走らされました。元の三叉路に戻り、
ナビを当てにせず、直感だけで走っていますと、ここを通過しました。
鳥居はありませんが、左目の端でとらえて引き返しました。
あの注連縄状の下はバイクで通過できませんので、ここに停めます。
どこででも見る光景ですが、社殿の周囲にビッシリと小さな石祠が並んでいます。
全国を歩いていますと、朽ち果てた社殿が放置されていたり、
地図に神社と書いてあるから訪問すると石柱だけだったり、
とても神道の国とは思えませんね。
愛車キャノピーがとても小さく見えます。
この参道を歩かれる方は、どれほど居られるのでしょうか?
この辺りは成田空港へ向かう飛行ルートなのか、
演奏していても飛行機の轟音がひっきりなしに聴こえます。
音がすれば機体が見え、この1分後には次の飛行機が!?
いま私は冒頭の略図の右端、最南端の「奥原」に向かっています。
ここも、走っていたら左目の端に留まりました。
突当りまで行くと、左手にも建物が。
往時のスケールを感じる空間でした。
バイクを置いて社殿まで行く気にはなれなかったので、石段下の
この場所で今日の目的たる古代歌謡の発声チェックを行ないました。
私って本当に人工的建造物に興味がないんですね…。
あ、もちろん信仰心もありませんよ。
もっと周りたかったのですが、自宅までが遠いので
帰宅後の練習に備え、今日はここまで。
おかげさまで古代歌謡の発声を生かせて少しイメージに近づきました。